給与が差し押さえられた!自己破産により解除が可能!
「借金を返せないと財産を差し押さえられる」と聞いたことはありませんか?
財産を差し押さえられることは実際にあるため、決して他人事ではありません。特に、多重債務者の人は注意が必要です。
中でも、特に差し押さえられやすいのは給料です。
ここでは差し押さえの中から、よくある給料の差し押さえについてお話していきます。
差し押さえの概要から差し押さえの原因、対策についてまで解説するので、借金を滞納してしまっている人や、実際差し押さえをされてしまった人は、ぜひ参考にしてください。
このコラムの目次
1.そもそも差し押さえとは
差し押さえとは、借金を返さない債務者に対して債権者が行う債権の回収方法です。
債権者は裁判所を通して差し押さえを行います。裁判所を介しているため、差し押さえは合法的かつ強制力のある方法です。
差し押さえと言えば、ある日突然債権者がやってきて家のタンス等に「差押」と書いた赤い札を貼っていくイメージがある人もいるかもしれませんが、実際にはそういったことはあまりありません。
よく行われるのは給料の差し押さえです。
これは、債務者の給料を差し押さえて、差し押さえた分を借金の返済に充当する方法です。債務者が対策を講じなければその状態が完済まで続きます。
差し押さえられる金額は、税金等を控除した後の手取り額が月額44万円以下の場合は手取り額の4分の1までと決められていますが、手取り額が突然75%になってしまったら生活が一気に苦しくなることは想像に難くありません。
また、手取り額が月額44万円を超える場合は、手取り額から33万円を控除した金額を差し押さえされてしまいます。
いずれにしても、給与を差し押さえられると勤務先にそのことがわかるため、借金があることや滞納していることが職場にバレてしまいます。
それが気まずくなって仕事を辞める人もいるため、差し押さえをされないに越したことはありません
2.差し押さえをされる理由
差し押さえをされるのは、前述の通り借金が原因です。
あるいは、税金等の滞納をしていても差し押さえが行われることがあります。
しかし、借金や税金を支払わなければすぐに差し押さえられるわけではありません。
度重なる督促を無視した場合に差し押さえが行われます。
つまり、差し押さえの前には何回も督促があるはずなのです。そして、それを無視し続けていた結果として差し押さえが行なわれます
また、差し押さえはいつ行われるかも債務者側にはわかりません。もし時期がわかってしまうと、債務者が財産を隠すなどの対抗措置を取る可能性があるからです
自分に届く督促状などは絶対に無視せず、返済が遅れるようならば必ず債権者に連絡して対策を練ってください。
3.差し押さえの解除方法
差し押さえは裁判所が関与する法的なものであり、一筋縄では解除できません。
(1) 債権者と交渉する
債権者と交渉すれば差し押さえを撤回してくれるかもしれません。
特に税金を滞納して差し押さえられた場合は、自治体の役所へ行って相談すれば何とかなる可能性があります。
しかし、個人が債権者や役所交渉しても上手くいくとは限らないので、確実性に欠け、時間の無駄に終わってしまうかもしれません。
(2) 自己破産や個人再生をする
自己破産や個人再生等の債務整理を行えば、差し押さえは解除されます(任意整理では差し押さえを解除できないので気をつけてください)。
これが最も確実な方法と言えるでしょう。
この記事では、特に自己破産をした場合について、次の章で紹介していきます。
勤務先を変えれば給料をもらう先が変わるので、差し押さえから逃れることができます。
しかし、債権者が再び勤務先を特定すれば再び差し押さえを受けてしまいますし、勤務先を変えることで収入が下がるおそれもあるでしょう。
借金自体を解決しない限り根本的な解決にならないのです。
4.自己破産によって差し押さえは解除される
自己破産で差し押さえが解除されるのは、「債権者平等の原則」というものがあるからです。
債務者が自己破産をすると、各債権者は平等に扱われ、債権の額に応じた弁済を受けることになります。
そのため、それぞれの債権者が勝手に差し押さえをして自己の債権を回収できる状態にしておいてはならなくなるのです。
自己破産には「同時廃止」と「管財事件」の2パターンがあり、差し押さえが解除される時期が異なります。
ここからはそれぞれの場合について解説していきます。
(1) 同時廃止の場合
債務者にさしたる財産がなく、免責不許可事由に該当する事項もない場合、通常は同時廃止となります。
同時廃止の場合、差し押さえは破産手続開始決定の時点から「一時的に凍結」という扱いになります。
正式に差し押さえが全面解除されるのは「免責が決定してから」です。
破産手続開始決定から免責が決まるまでの間は、債権者も債務者も差し押さえ分の給与に触ることはできません。
差し押さえられた分の給与は供託所というところで供託されるか、勤務先に保留されるという扱いになります
免責が決定すると、供託または保留されていた給与は基本的に債務者のところに行き、通常通り使えるようになります。
(2) 管財事件の場合
債務者に一定以上の財産がある場合や免責不許可事由に該当する事項がある場合等は管財事件となりますが、この場合は破産手続開始決定と同時に差し押さえが失効します。
管財事件の場合、破産手続開始決定の時点で破産者の一定の財産は破産管財人の管理下に置かれて、債権者の法的手続きが及ばないものとなります。
このため、債権者が行った差し押さえも効力を失い、債務者は差し押さえ前と同様の給与を受け取ることができるようになるのです。
5.差し押さえの対応は弁護士に相談することが大切
差し押さえられる前でも後でも、弁護士に相談することが大切です。
督促が来た段階で弁護士に相談すれば差し押さえを免れることができるかもしれませんし、借金自体を何とかする方法を教えてもらうこともできます。
また、既に差し押さえを受けている場合でも、弁護士に相談することで個人再生や自己破産を行い、差し押さえを解除できる可能性があります。
債務整理に詳しい弁護士であれば、差し押さえに関する詳しい知識や対策も知っていることが多いです。
借金のことを他人に話すのは恥ずかしいかもしれませんが、弁護士は多くの借金の悩みを日常的に聞いて解決しています。恥ずかしがることはありません。
差し押さえのことで悩む時間があったら、とにかく弁護士に相談することを強くおすすめします。
泉総合法律事務所には、「給料を差し押さえられてしまった」という方も多くご相談にいらっしゃいます。
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