債務整理

自己破産をするためには家計簿が必要って本当?

自己破産をするためには家計簿が必要って本当?

自己破産をご検討中の方は、これからさまざまな書類をご自身で用意しなければいけません。
そしてその中でも、自分で調べている際に「家計簿が必要」という内容を目にした方も多いと思います。

実際、自己破産を行うためには家計簿が必要です。正確には、「家計収支表」というものが必要となります。
しかし、これまで家計簿をつけたことがない方や、つけるのが苦手という方は、どうしたら良いか分からないでしょう。

今回は、自己破産に必要な家計簿について、わかりやすくご説明します。

1.自己破産と家計簿

(1) 自己破産で家計簿が必要な理由

そもそも、なぜ自己破産を行うために家計簿が必要なのでしょうか?

自己破産を認めてもらうためには、裁判所に破産申立てを行う必要があります。
もっとも、申立てを行えばすべて解決というわけではありません。申立てを行っても、書類に不備がある場合や、内容として「借金をまだ返済できる」と判断されてしまう場合は、破産手続きを進めてもらえないのです。

つまり、破産手続きを開始するためには、「返済不能」であることを客観的に証明する必要があります。

そして裁判所は、これを破産申請から提出された資料(資産の状況、借金の額・経緯、など破産申請者の借金に関するさまざまな事情)をもとに判断します。

家計簿の提出も、家計の状況から考えて「返済不能」であることや、今後の経済的更生が可能であることを証明するために必要なのです。

【家計簿を提出しないとどうなる?】
実際に法律事務所へ相談に来られた方で「家計簿の書き方がわからない」「過去の支出先はよくわからない」として「提出できない」とおっしゃる方はいらっしゃいます。
しかし、これを提出できない場合には、端的に手続きの開始が認められません。
家計収支表は申立ての際に必要な書類とされています。そのため、これを提出しないと手続きの開始が認めてもらえないため、自己破産ができないのです。
自己破産を成功させるためにも、家計簿は必ず提出するようにしましょう。

(2) 家計簿の内容は正確に記入する

「家計簿を提出してください」というと、「よくわからないので、適当でもいいですか?」というお答えが返ってくることがあります。
しかし、家計簿は、「できる限り正確に」書くようにしてください。

というのも、破産法252条8号では、免責不許可事由を定めており、以下のような規定があります。

「破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。」

家計簿、正確には家計収支表の内容が虚偽であれば、「虚偽の説明をした」と判断されます。この場合は、破産手続きに協力的ではないとして、免責不許可となってしまう(借金の免除が認められない)こともあるのです。

また、デタラメな内容を書いた場合には、免責不許可となるだけでなく、資産を隠匿したと判断され、詐欺破産罪(破産法265条1項)にあたる可能性もでてきてしまいます。

詐欺破産罪は、「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金」に処せられる可能性がある重い罪です。手続きを甘く考えていると、余計な面倒に巻き込まれることもあるため、誠実に手続きを履践していきましょう。

とは言うものの、突然「家計簿を提出してください」と言われても、何をどう書いたらいいのか、どの期間のものを提出すればいいのかなど、分からないことばかりだと思います。

そこで次は、自己破産の家計簿で押さえておくべきポイントと書き方をご説明します。

2.家計簿の書き方

(1) 家計簿を書く際のポイント

まずは、家計簿を作成する前に押さえておくべきポイントを理解しておきましょう。

家計簿を作成する場合、以下の注意点を守るようにしてください。

  • 自己破産申請前の1-2ヶ月分を提出すること
  • 嘘はつかないこと
  • 家族全員分の収入・支出を記載すること
  • 収支をあわせること

家計簿に関しては、専門家に指摘を受けてから作成するのでも大丈夫です。

裁判所は、借金免除の必要性や自己破産後に更生できるかどうかをチェックするために家計簿を要求します。過去の家計簿をつけていないことがマイナスに評価されるわけではありません。

また、家計簿は自己破産申請前の1-2ヶ月分の提出を求められることが通常ですが、裁判所によって取扱が異なるため確認しておきましょう。

食費や雑費などは多少の調整を行っても大丈夫ですが、特に通帳に記載がある収支については、きっちりと合わせるように注意しましょう。

(2) 家計簿の具体的項目

では、家計簿(家計収支表)にはどのような項目があるのでしょうか。

家計収支表は、「家計の状況を記載する書類」として定型の書類があります。弁護士や司法書士から入手するか、裁判所のサイトにて自分でダウンロードしましょう。

家計収支表のテンプレートの一例

内容としては、収入欄と支出欄に分けて記載が行われています。

収入欄

まず、収入欄には、給料や賞与、事業所得、借入金などの金額を記載します。サラリーマンであれば給与明細書を見て正確に記載しましょう。また、年金や公的給付がある場合はそれを記載する欄もあるため注意が必要です。

その他収入関連では、収入を裏付けるものが必要です。給料の金額の証拠として給与明細書と源泉徴収票のコピー、個人事業主なら確定申告書の写しと課税証明書などを提出することになります。

配偶者や同居人についても同様です。その他、年金や公的給付がある場合は各種通知表の写しなどが必要です。

支出欄

次に支出欄には、以下のような項目が並んでいます。右に書いてあるものは証拠として必要な書類です。

  • 住居費 - 賃貸借契約書等のコピー
  • 車両関係費 – 車の使用名義人の氏名の記載、車検証のコピー
  • 光熱費 – 領収書を添付
  • 電話代 – 領収書を添付
  • 新聞・受信料 -領収書を添付
  • 食費 – レシートを見て記載
  • 保険料 - 保険契約者の氏名の記載、保険証書のコピー、解約返戻金額証書
  • 医療費 – 明細表や領収書を添付
  • 返済金 – 借入証書など
  • その他税金など – 証明書を添付
  • 被服費 -明細表や領収書を添付
  • 教育費 -明細表や領収書を添付
  • 交際費 -明細表や領収書を添付
  • 遊興費(旅行費用) -明細表や領収書を添付

基本的に、支出を裏付けるものとして領収書の添付が必要です。裁判所によって添付の必要性が異なりますが、基本的には必要であると認識しておくべきでしょう。
面倒かもしれませんが、領収書はできる限り保管しておいてください。

また、1ヶ月分の区切りは給料日でも該当月の1日でもどちらでも大丈夫ですが、給料日の方が計算しやすいでしょう。

適当に記載すると辻褄があわなくなったり、通帳の引き落としの金額と齟齬が出てしまったりします。あとで裁判所からも疑いをもたれる原因にもなるでしょう。

今日からでもできる限り毎日の家計簿をつけ、明細やレシート・領収書等をとっておく癖をつけることをおすすめします。

3.自己破産を検討中なら弁護士に相談を

以上、自己破産に必要な家計簿の書き方や内容についてご説明しましたが、コラムだけでは細かい点でわからないことも多いかと思います。
また、実際に自己破産が成功するのかに対しても不安があるでしょう。

自己破産についてわからないことがある場合は、専門家である弁護士にどうぞご相談ください。自己破産に必要な手続きから予想される問題や解決方法まで、経験豊富な弁護士がご説明します。

返済が難しくなってきたら、早めに専門家に相談することが大切です。

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