刑事事件 [事例14]

深夜の路上で女性に対して強制わいせつ⇒不起訴処分

20代男性
罪名結果
強制わいせつ、暴行 不起訴

背景

ある日Aさんは、深夜の路上で、女性に対して、その胸などを中心に触ったり、抱き付いたりする強制わいせつ行為を行ってしまいました。また、別の日には、別の女性に対し、同じく深夜の路上で、胸などを触ったりする暴行行為を行ってしまいました。Aさんは、それ以外にも、同様の行為を3件ほど行っていました。

その後、別件で逮捕、勾留を受けたAさんは、上記の強制わいせつ、暴行事件でも警察から取り調べを受け、逮捕・勾留をされてしまいました。

Aさんは、当初別の弁護人が付いていましたが、その対応に不満を感じ、ご両親とともに当事務所に依頼をされました。

対応

今回、Aさんが当初に依頼されたのが、事件発生から相当日数が経っていたので、示談を進めるにも大変難しいだろうと感じました。なぜなら、相手の被害者にとっては、遅すぎるとして示談を受けたくないとの意向を示されると予想できたからです。

しかし、Aさんの今後のことや、ご両親の強い思いもあったので、我々としても何とか示談交渉を申し込み、示談交渉を行うことができました。もっとも、被害者の中には、示談に応じたくないという方もいて、その方との示談交渉はできませんでした。

示談交渉できる方と粘り強く交渉を行った結果、最終的には3件で示談が成立しました。

結果

その結果、Aさんは、すべての件で不起訴となりました。

今回、最も注力したのは示談交渉です。中でも、1名の被害者の方との示談がとても難しく、最後まで粘り強く交渉をしました。

そこでは、被害者の方に対してAさんやご両親が書いた謝罪文を提示しましたが、その内容が納得のいくものではなかったようでしたので、何回かの書き直しをしていただきました。

示談は、人と人との感情がぶつかり合う場です。特に被害者の方の感情は、時にものすごく激しいものであることもあります。
その時にこそ、弁護人の出番であると感じます。弁護人は、依頼者のために弁護活動をしますが、被害者の方の声を唯一聞くことのできる立場です。被害者の方の声をしっかりと依頼者に伝えて、被害者に対する誠意ある償いと賠償を果たすことができれば、示談はうまくいくでしょう。

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