刑事事件

痴漢で起訴される場合とは?逮捕後の流れと共に解説

痴漢で逮捕されてしまった場合、これから自分はどうなってしまうのか、不安になると思います。また、逮捕から釈放された場合にも、これから裁判が待っているのではないか等が不安で、夜も眠れない毎日が続くのではないでしょうか。

しかし、実際には、痴漢事件が必ず起訴されるわけではありません。
それでは、痴漢事件で起訴をされるのはどのような場合でしょうか?

ここでは、痴漢について、起訴される場合を、逮捕後の流れや起訴を回避する方法と共に解説します。

1.痴漢を規制する法律

痴漢は、各都道府県の迷惑防止条例や、刑法上の強制わいせつ罪で規制されています。

迷惑防止条例違反の刑罰は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、強制わいせつ罪の刑罰は6月以上10年以下の懲役とされています。
以上から分かるよう、強制わいせつ罪の方が罪質は重いとされています。

痴漢の処罰法規に関する詳しい説明は、以下のコラムをご覧ください。

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[参考記事]

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2.痴漢で逮捕後の流れ

では、痴漢で逮捕された場合、以降の流れはどうなるのでしょうか?

(1) 逮捕~勾留

痴漢で逮捕されると、警察署に連れていかれます。警察署では、警察官から犯行についての動機や行為態様等について詳しい話を聞かれます。
釈放されるまでは、警察署の留置場に留まることになります。家に帰れず、また逮捕中は家族との面会もできません。

被疑者の身柄は、逮捕から48時間以内に、証拠や供述調書と共に検察官に送致されます(これを送検と言います)。

もっとも、犯罪の嫌疑がない等の場合には、被疑者は釈放されます。微罪処分(あらかじめ検察官が指定した軽微な事件で、送検されないもの)とされる場合もあります。

検察官は、被疑者を受け取ってから24時間(かつ逮捕から72時間)以内に、裁判官に被疑者を勾留(身体の長期にわたる拘束)するよう請求を行うかを決定します。勾留請求しない場合は、被疑者を釈放します。

痴漢事件では、痴漢行為を冤罪だと否認している場合、勾留請求がなされることが多いです。

勾留の請求先は裁判官です。勾留の請求をうけた裁判官は、犯罪の嫌疑があるか、罪証隠滅の恐れがあるか、逃亡の恐れがあるか等を審査し、勾留請求を認めるか否かの決定をします。
これが認められると、勾留(被疑者勾留)が始まることになります。

検察官としては、勾留請求をしない場合のもうひとつの選択肢として、釈放せずに、直ちに起訴することも法律上は可能です。
もっとも、実際には、十分な捜査も行わずに裁判にかける決定をすることは、まず、ありえません(公訴時効の期限が迫っているなどの場合には意味があります)。

(2) 勾留~起訴処分の決定

勾留の期間は原則10日です。必要に応じて、更に最大で10日の勾留延長がなされる場合もあります。勾留期間中は、逮捕と異なり、家族との面会が可能になります(もっとも、制限される場合もあります)。

検察官は、逮捕・勾留期間の取り調べを通じて得た証拠等を基に、被疑者を起訴するか、不起訴とするかを決定します。

不起訴処分の場合は、被疑者を釈放しなければなりません。
起訴処分が行われると、更に勾留(起訴後勾留)が行われます。これは、2か月に及び、それ以降は1か月毎に更新されます。

もっとも、起訴後勾留においては、保釈(保釈金を払うことで勾留から解放される制度)が利用可能になります。

【略式起訴について】
起訴処分には、公判を開いて裁判を行う通常の起訴と、比較的簡略な手続きで行われる略式起訴があります。略式起訴では、公判を開かず書類審査だけで被告人の処分を決定します。そのため、通常の起訴と比べて被告人の精神的・肉体的な負担が少ないです。
もっとも、略式起訴は100万円以下の罰金又は科料にあたる事件にしか行えません。そのため、罰金刑のある迷惑防止条例違反では略式起訴となるケースは多いですが、懲役刑のみが規定されている強制わいせつ罪においては、略式起訴になることはありません。
なお、略式起訴でも前科はつきますから安易に考えてはいけません。

3.痴漢で起訴される場合

(1) 起訴される事情

痴漢の被疑者を起訴するか否かを判断するのは検察官です。検察官は、様々な事情を考慮して起訴をするか否かを決します。迷惑行為防止条例違反の痴漢の場合、初犯では通常、略式起訴での罰金刑となります。

起訴処分がなされる事情としては、行為態様が悪質(何度も執拗に痴漢を繰り返した等)、被害者の年齢(未成年である)、被害者の処罰感情が強い、被疑者に同種の前科がある、被疑者に反省が見られない、常習犯であるなどの場合が挙げられます。

(2) 具体例

ここでは、痴漢で起訴される具体的な事例(当事務所にご依頼があったもの)を紹介します。 

事例1:Aさんは、夜間に路上で面識のない女性の身体を触ったり、自分の性器を見せつけたりするなどの行為を繰り返しました。Aさんは痴漢(迷惑防止条例違反、公然わいせつ罪)の容疑で逮捕・勾留されました。Aさんは、他にも同様の余罪がありました。
起訴を防ぐべく、余罪も含めた被害者らとの示談交渉を開始しましたが、被害女性らの処罰感情が強く示談は成立しませんでした。結局、Aさんは勾留期間の満了と共に余罪も含めて起訴されてしまいました。
もっとも、起訴された後、判決前にようやく被害者全員との示談が成立し、Aさんには執行猶予付きの懲役刑の判決が下されました。

事例2:電車通勤していたBさんは、電車で痴漢(迷惑防止条例違反)をして逮捕されました。Bさんには、同種の前科(罰金刑)がありました。
被害者からは示談を拒否されてしまい、結局起訴されてしましました。
Bさんにも執行猶予付きの懲役刑の判決が出されました。前の痴漢の際には罰金刑でしたが、起訴されたのは今回が二度目なので、執行猶予付きとはいえ、罰金では済まなかったのです。

以上から分かるよう、示談が成立していない場合や、前科・余罪がある場合は、起訴される可能性が高いといえます。

[参考記事]

痴漢の前科がある人が、再度痴漢をした場合どうなるの?

4.痴漢で起訴されるのを防ぐには

(1) 起訴を防ぐべき理由

痴漢で起訴されるのは何としても避けなければなりません。というのも、日本の刑事司法は有罪率が非常に高く、起訴されるとほとんどの場合で有罪となり前科が付いてしまうためです。

前科が付いてしまうと、職場を事実上解雇される可能性がある、警備員など一定の職業につけなくなる、就職の際に前科の有無を偽って採用されると経歴詐称で解雇される可能性がある、再度なんらかの犯罪を犯した際の処分が重くなる可能性が高い等の不利益が生じます。

(2) 起訴を防ぐためには

痴漢事件において起訴を防ぐには、被害者との示談が最も効果的です。
示談とは、加害者と被害者による、犯罪事実に関して解決したという合意を指します。

検察官は、起訴するかの判断において、広く諸事情を考慮し、被害者の処罰感情にも重点を置きます。被害者との示談の成立は、被害者の処罰感情の減少を表します。

また、示談金としての慰謝料の支払いは、被害者の被害が補てんされたものと評価されます。

そのため、示談の成立は、起訴を防ぐための非常に重要な要素となります。

(3) 示談交渉の方法

示談交渉は、被疑者と被害者で行います。もっとも、これを被疑者と被害者で直接行うことはあまりお勧めできません。家族・友人・上司等を交渉役とすることも同様です。

示談交渉は弁護士に依頼するべきと言えます。
それは以下の理由からです。

  1. 性犯罪においては特に、被害者が会ってくれないおそれがある・・・弁護士に依頼すれば、被害者が警察官・検察官を通して弁護士に連絡先を教えてくれたり、示談交渉のテーブルについてくれたりする可能性が高まります。
  2. 示談の方法が分からない(示談書に何を書けばいいのか等)・・・弁護士は刑事弁護を担当できる唯一の職業ですから示談のノウハウを熟知しています。示談が成立したことを証明する示談書も法律の専門家として間違いなく作成できます。
  3. 示談金(示談において被害者に払う金銭)の適正な額がわからない・・・弁護士は、示談金の相場を知っており、当該事案における適切な示談金を提示できます。また、被害者側の過度な示談金の要求に対しても、同様の事例での相場金額を明らかにし、被疑者側の提示額が決して安い金額ではないことを伝えて説得することが期待できます。

5.まとめ

以上、痴漢で起訴される場合について解説しました。
痴漢で不起訴処分を得るには、示談が重要だということがお分かりいただけたと思います。

痴漢をしてしまったが起訴処分を回避したいという方は、ぜひ、泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

当事務所は痴漢事件に関する弁護経験が豊富ですので、様々なノウハウを生かし、示談成立〜不起訴処分までをサポートいたします。

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